タマネギDr.斎藤嘉美先生の話 「タマネギと生活習慣病」 斎藤嘉美先生のコラム
糖尿病は遺伝するといわれますが、私の家系は糖尿病の血筋らしく、祖父は糖尿病の合併症で亡くなり、父も数年まえに発病しました。血糖は300ミリグラムぐらいあり、血糖を下げる薬を服用しても、200ミリグラム以上の高血糖が続いていました。
その父があるとき、宮尾興平先生の『タマネギで高血圧・糖尿病に勝つ』という本を買ってきました。父はもちろんのことですが、母も私も高血圧で悩んでいましたから、いっしょに本を読み、タマネギ療法を始めました。
父はオニオンスライスが好きだったのでオニオンスライスを食べ、それに合わせてタマネギ濃縮乾燥粒(タマネギエキスを濃縮乾燥して粒状にしたもの)をとりました。すると薬をのんでも200ミリグラム以下にならなかった血糖値が正常にまで下がりました。下がりすぎて低血糖になったこともあります。
しかし、これはタマネギのせいではなく、いっしょに服用していた薬の副作用であることが分かり、お医者さまのほうで薬を減らしてくれました。いまでは薬はごく少量 ですが、それでも血糖値は安定しています。
母は高血圧で、最小血圧は80ミリくらいで正常でしたが、最大血圧が200ミリ近くありました。ところがタマネギをとるようになってから一年もしないうちに、最大血圧が150ミリくらいに下がったのです。 しかも不思議なことに、最大血圧は驚くほど下がったのに最小血圧のほうは80ミリくらいのまま変わりませんでした。 父の場合もそうでしたが、タマネギの薬効は、高血糖も高血圧も異常に高い場合にだけ作用し、正常になると作用しないということで、安心してとり続けられることが分かりました。
私の場合は最初は高血圧でした。最大血圧150ミリ、最小血圧90ミリくらいあり、お医者さまの処方で、血圧を下げる薬をのむようになりました。その結果 、140ミリと80ミリくらいまで下がりました。宮尾先生の本を読んだのはその頃でした。
なるべく薬に頼らないほうがよいと思っていましたので、さっそくタマネギ療法を実行しました。毎日大き目のタマネギ1個分をオニオンスライスにして食べました。それに、茶色いタマネギの薄皮を2、3個分土ビンで煎じてお茶がわりに飲みました。
しかし、この方法は半年が限界でした。大量 のオニオンスライスを食べると口の中にタマネギの臭みが残りますし、手間もかかります。それに、タマネギの薄皮を洗って刻み、これを煎じて飲むのはさらに面 倒でした。
そこで私も、父にならってタマネギ濃縮乾燥粒をとることにしました。1日に30粒を3回に分けて、三度の食事のときにとりました。野菜のタマネギもできるだけ食べるように努力しました。タマネギ療法を始めて2年くらい経った頃、血圧はすっかり正常になりました。
最大血圧は110~130ミリ、最小血圧は70ミリ台に落ちつき、その後も安定した状態が続いたので、お医者さまから薬はのまなくてよいといわれました。高血圧の薬はのみはじめたら一生続けなければならないときいていましたから、感激しました。
ところが、血圧のほうはよくなったのですが、突然、私も糖尿病になってしまったのです。もともと遺伝的に糖尿病になりやすい体質だったのでしょうが、私の場合は母の突然の死が原因だったように思います。
母はタマネギ療法のおかげで高血圧がよくなり元気だったのですが、昨年末、血圧とは別 の原因(医療ミス)で、八十三歳で亡くなったのです。糖尿病は身近な人の死など、大きなストレスが引き金になる場合もあるとお医者さまにいわれました。
血糖値はブドウ糖をのんで2時間後で225ミリグラムもありました。タマネギ濃縮乾燥粒は、血圧が正常になったときに減らしていたのですが、糖尿病の薬としてもう一度、一日30粒にもどしました。効果 はすぐにあらわれました。一カ月後の検査で、ブドウ糖をのんで二時間後の血糖値が125ミリグラムでした。これからもずっとタマネギ療法を続けようと思っています。
高血圧の持病があったので、毎月一、二回病院へ通い、年に二回は血液や尿の検査を受けていました。血圧はそれほど高くはなかったのですが、血圧降下剤をのまないと、上が160ミリくらいになり、目まいがしていました。
四年前の検査のとき糖尿病が疑われ、精密検査を受けました。ブドウ糖をのんだりして、結局、糖尿病と診断されたのです。そのときの血糖は教えてくれませんでした。先生も、あまりショックを与えたくなかったのだと思います。
その後、空腹時の血糖値が180~200ミリグラムくらいと教えてくれましたが、最初の検査のときの血糖値は、これよりもずっと高かったはずです。 食事療法のやり方を教わるために、二週間ほど入院しました。
食事の量 が減ったばかりか、私の大好きな菓子類はほとんど食べられなくなりました。いまから考えると、私の糖尿病は甘いもののとりすぎが原因だったのかもしれません。厳しい食事制限のおかげで血糖値が下がりはじめ、八カ月後には正常値の110ミリグラムまで下がりました。 その時点で血糖降下剤はのまなくてよいことになったのです。
ところが、血糖値の改善と引きかえに、ストレスがたまってきました。最初は我慢できたのですが、ドーナツやカリントウなど好物の甘い菓子を食べられないのは大変つらいことで、悪いとは知りながら、ときどき食べるようになりました。
結果 は正直に血糖値にあらわれます。せっかく苦労して下げた血糖値がたちまち上がってしまいました。そこでまた厳しく食事を制限することになりました。これをくり返しているうちに、このままでは病気は治らないという不安と、食べたいものを食べられない欲求不満でだんだんストレスがたまってきました。
そんなときにタマネギが糖尿病によいという健康雑誌の記事を読み、タマネギを食べることにしました。毎日、サラダやめもの、煮ものなどで、できるだけ沢山食べるようにしました。しかし、タマネギ料理のオンパレードは一週間と続きませんでした。 同じものを食べ続けることがいかに難しいか思いしらされました。
そこで野菜のタマネギを減らしてその分をタマネギの加工食品でとることにしたのです。これはタマネギの濃縮したエキスを乾燥して粒にしたもので、これを一日に30粒、昼食後と夕食後に各15粒づつのみました。
一日に30粒とると、生のタマネギを約四分の一くらい食べることになるということでした。この方法は抵抗なく実行できました。そして、タマネギの成分をたっぷりとるようになると血糖値が安定してきました。
もちろん、はめをはずして腹いっぱい食べると血糖値は上がりますが、ほどほどなら甘い物をとっても血糖値は変わりません。おかげで、欲求不満からくるイライラもなくなりました。いまでは空腹時の血糖値が80~90ミリグラム、食後二時間値も120~130ミリグラムの正常値です。
タマネギをとるようになって疲れなくなりました。血糖値が正常になったからでしょう。体調がよくなったために、運動療法もできるようになりました。以前は少し歩いても疲れを感じましたが、いまでは歩くのが楽しみで、毎日40分は歩くようにしています。
これもまた、血糖値の安定に役立っているのでしょう。それに体を使うとよく眠れます。タマネギ療法をはじめる前にはよくカゼをひき、こじらせて病院の世話になりましたが、最近はめったにカゼをひきません。インフルエンザが流行しても元気でいられます。タマネギ療法を知って本当によかったと思います。
建設関係という仕事柄酒を飲む機会が多く、食事も健康のことを考えてというよりは、おいしいものを好きなだけ食べるという毎日でした。七年ほど前に糖尿病が出たのも、こういう食生活が原因だったにちがいありません。
糖尿病といわれても、自覚症状はありませんから、とくに治療を受けることもなく、食生活を改めることもしませんでした。それどころか、平成四年に五十肩を患い、現場での仕事ができなくなってから一日中酒を飲んでさびしさを紛らすようになりました。
その結果 、体がガタガタになり病院へ行くはめになったのです。アルコール依存症に、アルコール性肝炎、それに糖尿病と診断されました。このときの血糖値は180~200ミリグラムでした。糖尿病だけなら入院することもなかったのでしょうが、いろいろな余病があったので入院して食事療法をやることになったわけです。
私も事態を真剣に受けとめ、糖尿病について自分なりに勉強をし、タマネギが糖尿病によく効くことを知りました。ただし、入院中だったため、関心はあったものの、自分で試してみるところまではいきませんでした。
それから一年経ち、冬に退院して自宅で療養中にコタツで両足を低温やけどしました。自分でも気がつかないくらいのやけどだったので、たいしたことはなかろうと放置していましたが、なかなか治りません。
それどころか日増しに悪くなっていくのでついに病院で診てもらったところ、単なるやけどではなく壊疽(血流が悪くなって末梢の組織が酸素や栄養不足になり、腐敗する病気)、それも悪性の壊疽でした。糖尿病の合併症としておこりやすいといわれました。
病状はきわめて重く、このままでは生命にかかわるので、両足を切断するしかないと宣告されました。突然のことでショックを受け、頭の中は真っ白になりましたが、それでも助かるためには両足を犠牲にするのもやむを得ないと納得しました。
ところが血糖値が500ミリグラムもあったので血糖を下げなければ手術もできないということでした。まさに最悪の状態だったのです。
そのとき私はタマネギのことを思いだしました。入院中のことで野菜のタマネギを大量 に食べるわけにはいかないので、タマネギのエキスを濃縮して加工したタマネギの加工食品を利用し、毎日、朝、昼、夕の食事どきに20粒づつのみました。
生のタマネギに換算すると、普通 の大きさのタマネギの二分の一くらいになるようです。かなり多目になりますが、早く血糖を下げなければ生命にかかわると思い必死でした。それに食品ですから多くとっても副作用はないし、病院の薬といっしょでも害のないことを確信していました。
もちろん、食事制限も厳しく、一日1600キロカロリーの糖尿病食でした。インスリン注射も続けました。二カ月ほど経った頃、血糖値は160ミリグラムまで下がりました。タマネギの効果 は絶大でした。
私も驚きましたが、主治医はもっと驚いていました。そして、内科、外科、整形外科の医師が集まって検討した結果 、両足切断の手術は見送られたのです。とうに両足はあきらめていましたし、もっと悪い事態も心配していましたから、私のよろこびは言葉につくせないほどでした。
四カ月目には血糖値がさらに130ミリグラムまで下がり、無事に退院できました。ときどき痛みが走りましたが、車いすを使わずに杖をついて歩けるようになるまで回復しました。
現在の血糖値は空腹時で70~110ミリグラムです。ヘモグロビンA1cも5.5パーセントでこれも正常です。この数値が下がったのが糖尿病がよくなったなによりの証拠だと教えられました。インスリン注射はときどき打つくらいですが、血糖値は安定しています。
このままいけば遠からず現場の仕事にも復帰できそうです。ありふれた野菜に、これほどの奇跡をおこす力があるとは思ってもみませんでした。他の人にもぜひタマネギのすばらしい効能を知っていただきたいと願っています。